腫瘍

2022/07/13 |

猫の乳腺腫瘍(猫の乳がん)

猫の乳腺腫瘍について

80〜90%が悪性であり、転移率が高く、発症年齢の平均は10〜12歳です。

避妊手術の実施時期が乳がん発生と関連しており、

6ヶ月未満で避妊手術をした猫は発生率が91%低下しますが

13〜24ヶ月で避妊手術をした猫の発生率は11%の低下です。

24ヶ月以降は避妊手術による乳がん発生予防効果はありません。

当院では生後6ヶ月での避妊手術をお勧めしております。

 

症状

症状は特に無く、乳腺(お腹)にしこり触れて気づいて来院されることが多いです。

 

予後

腫瘍のサイズと予後には大きな関連性があり

大きさ     平均生存中央値

2cm以下    54ヶ月

2〜3cm              24ヶ月

3cm以上    6ヶ月

またリンパ節転移や悪性度も生存期間に影響します。

 

治療

基本的には外科手術で乳腺を切除します。

乳腺を全て切除する両側全切除の生存期間が最も長いです。

最近は領域リンパ節(腋窩、副腋窩、浅鼠径リンパ節)を含む乳腺拡大切除が予後に影響していると考えられています。

当院では片側づつ1ヶ月あけて手術することが多く、入院期間は1〜2日程です。

右乳腺乳がん

手術前

1ヶ月後(右乳腺切除後(リンパ節一括切除))

切開部は毛が生えれば分からなり外観は普通の猫ちゃんと変わりません。

 

術後の化学療法(抗がん剤)について

ハッキリとした情報が今の所ないので悪性度や転移の状態、年齢などからオーナー様とご相談になります。

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